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フレンドシップ2016「踊る人形」~時間の絵をつくろう~ レポート

2016.10.01

BY 松本力

9月30日、SHIBAURA HOUSEフレンドシップ・プログラム2016の一環として「踊る人形/時間の絵をつくろう」を開催しました。アートとしてのアニメーションづくりを通して、地域の方に参加していただくことを目的としたワークショップです。



今日おもしろいと感じたすてきな気持ちを明日に持っていけるかどうか、という子供の頃からの願いを核心に表現活動を続けているようなところがあります。そのおもしろいとおもうイメージは、どこからきて、自分の中にどのように続いているのか。それを意識するため「時間(記憶)に形をあたえる」「町の中でのつながりを想像する」をテーマに、リサーチとプレ・ワークショップとワークショップ当日の3回の活動を芝浦で行いましたので、そのレポートを掲載します。

Research「芝浦をあるく 1」

8月29日と30日、講師・松本力とSHIBAURA HOUSEの元行まみさんで、芝浦界隈を歩いてみることにしました。当日のワークショップ&ライブパフォーマンスへの集客をはかるには、いままでのアートのワークショップの経験から、とくに地域での活動の場合、座して待つだけではなく、表現の場に共に参加していただける方をアーティストの方から探しにいくことも必要です。人との出会い、場所を求めて、事前におすすめをいただいていた何軒かのお店を巡ってみました。

なぜ、飲食店かというと、もし、このアートプログラムにご賛同をいただけたお店があったら、参加者の方々つまり他の場所から来られた方(ぼくが先ずそうなんですが)が半ば地元の方に案内されるように、ふたたびそのお店をおとずれて、ご飯を食べながら絵を描いてみたいと想っていました。そのための飲食費は自腹ということになるので、ここは芝浦を知るための先行投資と考えて臨みました。
アートのプログラムには、簡潔に趣旨を伝えること、本番までにはそれなりに時間をかけることなど、現場での臨機応変なコーディネート力は欠かせません。
やはり、協力してあげられなくて残念だけどきっといそがしいからと、飲食業はお客さんの回転も大事ですので、断念せざるを得ない場合もありましたが、その昔、置屋さんから料亭へと世代をつないで営業されている料理店があるときいて、いってみることにしました。まだ開いていなかったのですが、こちらのお話を聞いていただいて、いそがしくなる前の開店してすぐの時間ならとのことで、また日にちを決めてうかがうことにしました。夜はお値段がそれなりにかかるのですが、幸いなことにランチタイムにお得な定食を出しているとのこと。また今年、芝浦界隈をテレビが取材したことがあり、SHIBAURA HOUSEやこのお店も紹介されたということもうかがったのですが、なんと、シンクロニシティなことでしょうか。帰ってから、その番組の再放送を観ることができました。



そして9月1日は、ふたたびうかがって醤油漬けマグロ丼のおいしい定食をたべながら、まるで料理をつくられているご主人の口から、先んじて人となりをうかがい知ることができたような、不思議な時間を感じました。

Pre-Workshop「芝浦をあるく 2」

9月28日は、松本とメールでご参加申し込みをしていただいたご家族と、SHIBAURA HOUSEのみなさんと、地元の顔というべき女性のご案内で、3軒のお店を巡りました。この日は、ワークショップ当日に向けて、芝浦をあるいて食べて、リサーチしながらお店お店で絵を描くことをしてみました。

1軒目は、地元の方や近隣のオフィスで働いている方が帰りに立ち寄るような海産物料理がおいしい居酒屋でした。お互いに自己紹介をかねて、飲んで食べながら芝浦の話をたくさんしました。あとから小学校の女の子も参加して、彼女はジュースで乾杯というわけで、店の様子を背景に、お互いの食べているところを絵にしてみました。絵は、用意した幅7㎝、長さ70㎝位の巻物状の紙の左端にそれぞれ1つだけ描きます。これをつなげていくと、なにもかいていないところがあるわけですが、この続きは、ワークショップ当日に仕上げていきます。



2軒目に向かったのは、昼間は店先でお弁当を売っている小料理屋さんの店先に置いてある、ロードムービーに出てきそうな夜の灯りが照り映える銀色のトレーラーです。これは、おでん屋台ならぬ、おでんトレーラーなのです。中は、カウンター席に後部はソファーになっていて、おでんやの赤提灯がなければ、バーラウンジのようで、なんだか落ち着きます。テレビもあって画面に唐突に出てきた「洗面所で気持ちよさそうに身体をのばして入浴するウサギ」を女の子が描いていたので、みんなで笑って、その絵もそれぞれ描いてみました。ここでも、日々のことなどたくさん話しました。



3軒目は、お好み焼き屋さんへ。もっと、はしごしたかったのですが、時間もお金?のこともあり、ここが最後のお店になりました。参加してくれた小学生の女の子の焼き方が、玄人はだしの腕前で、そのできばえにうっとりしながら、うつくしくおいしくいただきました。この締めの感に、すっかり満足してしまって、絵を描くことをわすれるところでした。SHIBAURA HOUSEにもどって、つづきの絵も描きたい!…という時間もなくなってしまったようなので「また2日後にね!」といって、それぞれ家路につきました。





 

Workshop「じかんの絵をつくろう」

9月30日は、いよいよワークショップ当日です。夕方5時から6時40分位まで、夜の仕事終わりのワークショップということです。絵を描くのに、目の前でだれかがポーズをとります。それを参考にするようにお互いに注文をすることができます。その様子を一列でながめると、まるで踊っているような人のアニメーションになっているのが、このタイトルの所以でもあり、同名のシャーロック・ホームズの短編からの引用です。



28日に芝浦をあるいてたべた、町や人の感想を、自分がおもしろいとおもった記憶の最初に旅するような気持ちで、他の人が描いたひとつの絵を、同じ絵をつくるような感じで、右へと真似しながら変えていって描きつないでいきます。その長い紙を巻物するようにつなぎながら、絵もかたちや色や場面でつないでいきます。



途中から参加してくださった方にも、いきなり、絵を描いてもらいました。休憩をはさみながら、松本はみなさんが絵を描いていくのを追いかけるように、長い絵巻物に描かれたひとつひとつの絵を自作の映像装置「絵巻物マシーン」で撮影して、コンピュータにとりこみながらならべて映像になるように編集していきます。



がんばっていそいでいるのでしたが、みなさんをお待たせするなか、音楽家VOQ(ぼっく)さんをお招きして、彼のライブがはじまりました。松本は、VOQさんの背景に壁に大きく投影したアニメーションでVJをしながら、編集を進めていきます。間に合うのか間に合わないのかぎりぎりでしたが、ようやく、ワークショップでみなさんが描いてくれた絵の絵巻物のアニメーション完成上映会をすることができました。不肖、松本が今回の芝浦での活動の思い出を胸に、音楽というか歌をうたいました。



SHIBAURA HOUSEはガラス張りの建物で1Fでやっていることが丸見えなところがすてきなのですが、会場にお越しいただいた方々のみならず、往来を行くお仕事帰りの方々の眼に、どのように映り、どのようにおもわれたでしょうか。集客がおもうようには至らず、また、近隣のオフィスやお店の方々にも十分な周知ははかれませんでしたが、ぜひ、つづきをとおもいながら、楽しんだ芝浦の日々でした。

完成したアニメーションはこちら!



SHIBAURA HOUSEフレンドシップ・プログラム2016

ご協力いただいた店舗
い奈本
風(一空)
包丁や
お好み焼き むさし

ありがとうございました。

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